さざれ石にまつわる５つの情報とは？

そもそもさざれ石とは？

さざれ石とは元々小さな石の意味ではありますが、長い年月をかけて小さい石の隙間を炭酸カルシウムが埋めることによって、一つの大きな石の塊に変化したモノのことを言います。

石灰石が雨水によって溶けたことで生じた粘着力の強い乳状液が、少しずつ小石を連結していき、石灰質の作用によってコンクリート状に固まる事から、学術的に言えば「石炭質角礫岩」などと呼ばれます。

日本国内には様々なさざれ石がありますが、特に滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山がさざれ石の主要産地とされています。

日本一有名なさざれ石

「さざれ石」という言葉に、なんとなく馴染み深さを感じるのは、国家である「君が代」の歌詞の中に出てくるからでしょう。

「君が代」の歌詞の中に出てくるさざれ石は「細石」と書きますが、文字通り細かい石の意味であり、それらの小さい石が長年かけて「巌（いわお）」となり、さらにその上に苔が生えるまでの過程が、非常に長い年月を表す比喩表現として使われています。

この「君が代」に登場するさざれ石の由来となったのが岐阜県揖斐川春日にあるさざれ石で、現在はその周辺が「さざれ石公園」となり、観光客が多く訪れています。この公園は伊吹山の登山口にもなっていて、さざれ石は岐阜県の天然記念物にも指定されました。

京都：下鴨神社のさざれ石

縁結びの神様として有名な「下鴨神社」ですが、ここには神聖な力が宿っていると言われる様々な石が祀ってあります。

さざれ石もその一つで、まさに神様が宿る石として有名になり、携帯の待ち受けにすると恋愛運がアップするなんて話題にもなりましたね。

下賀茂神社にまつわる「鴨の七不思議」の中には、このさざれ石のほかに「泉川の浮き石」や「御手洗の神石」の伝説が残っていて、いずれも石に宿っている神聖な力を表しています。

「泉川の浮き石」は、その昔紅葉橋のたもとに雨乞いを祈る「こがらし社」がありましたが、願いが叶って雨が降ると泉川の石が飛び跳ねたという言い伝えがあります。

「御手洗の神石」は、日照りや戦乱の時に、御手洗川の流れをかき回すことで小石が跳ねると願いが叶うと言われていたという言い伝えがあります。

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神戸：生田神社のさざれ石

生田神社は、広大な敷地の中にあるいくつもの小さな神社の一番奥に、圧倒的な存在感の本殿があります。

本殿の裏手にはうっそうと木々が茂る「生田の森」がありますが、ここは源平合戦の古戦場だったという事もあり、パワースポットとして知られていますよね。その入り口にある「蛭子神社」の脇にさざれ石が祀られています。

丸みを帯びた小ぶりのさざれ石にはきちんと注連縄がまかれていて、地元住民からは商売繁盛にご利益があるさざれ石として知られているようです。天皇即位20年という看板があり、比較的新しいさざれ石で、まだ苔がむす前の状態なので、これからの変化が楽しみなさざれ石でもありますね。

日本一大きなさざれ石

日本最大のさざれ石があるのは、宮崎県の「大御神神社」の境内です。「神座（かみくら）」と呼ばれるそのさざれ石は、天照皇大御神の孫にあたる瓊々杵尊（ににぎのみこと）がこの地を訪れた際に、ここに立って大海原を眺めたという言い伝えがありますが、その大きさはなんと周囲３０メートル、高さ４メートルにも及び、宮崎県の観光指定コースにも指定されているほどです。

今からさかのぼること約２０００万年前、このさざれ石がある付近は広範囲にわたって浅い海岸平野であり、大陸から流れてくる大量の石ころがその河口付近にたまって、粘土や砂などに混ざり、長い年月をかけて大きな塊となったのがこのさざれ石です。

全国からこのさざれ石を見るために人が絶えませんが、霊的に敏感な人はこのさざれ石から噴き出す霊気やエネルギーの強さに驚き、まさに「癒しの岩」と呼ばれるのにふさわしいと言われています。

いかがでしたか？

誰もが一度は口ずさんだ事がある「君が代」に登場するさざれ石は、様々な場所で祀られている神聖な石なんですね。

小さな小石がさざれ石になって大きな存在となるように、人間も一人じゃ無力でもみんなで力を合わせれば出来ない事はないと、さざれ石が身をもって教えてくれているような気がします。

機会があればそのパワーを感じに、さざれ石のスポットに足を運んでみてくださいね。